Loading...
CONTACT

clasp でコピペ往復をやめました。速くなった理由は、タイピングではありませんでした

AIとGASの間を往復する“伝言役”を、私はずっと自分でやっていました。

佐久間が書きました

2026-09-07 / 仕事

clasp でコピペ往復をやめました。速くなった理由は、タイピングではありませんでした

先日、GAS(Google Apps Script)で小さな自動化プログラムを組んでいました。コードは書けないので、いつものように、やりたいことをAIに説明して、返ってきたコードを動かす。その繰り返しです。

ただ、その「動かす」までが、ずっと手作業でした。こういう往復をしていました。

① AIに「こういう処理を書いて」と頼む(チャット)
② 返ってきたコードをコピー
③ ブラウザのGASエディタに貼る
④ 実行する
⑤ エラーが出る
⑥ エラーメッセージをコピー
⑦ チャットに戻して貼る
⑧ 直ったコードが返ってくる → ②へ戻る

②から⑦まで、動いているのは全部わたしです。コピーして、貼って、実行して、また戻す。この一周を、動くまで何度も回していました。

この往復で、速いのはAIだけでした

AIはコードを一瞬で返します。直しも速い。遅かったのは、AIではなく往復のほうでした。画面を2枚行き来して、コピー先を間違えないように確認して、貼って、実行する。1回は数十秒でも、動くまでに何十周もすれば、そこがまるごと待ち時間になります。

しかも、この往復に価値はありません。わたしがやっていたのは、判断ではなく運搬でした。チャットとGASエディタの間で、コードとエラーを右へ左へ運ぶだけの係。速いAIを、遅い伝書鳩がつないでいたわけです。

clasp を入れたら、往復から手作業が消えました

そこで clasp を使いました。ローカル(自分のパソコン)でGASのコードを書いて、clasp push と打つだけで、それがそのままGASに反映されるツールです。ブラウザのエディタに貼りにいく必要が、なくなります。

これで往復はこう変わりました。AIが手元のファイルを直接書き、clasp push で反映し、実行結果やログも手元で読める。②〜⑦の「コピーして貼って戻す」が、まるごと要らなくなりました。

before   AIに頼む → コピー → 貼る → 実行 → エラーをコピー → 戻す → …
after    AIに頼む → (ファイルを直接直す → push → ログを見る)→ …

ここが、いわゆる「チャットで使うClaude」と「Claude Code」の分かれ目でした。前者ではわたしがコードを運ぶ。後者ではAI自身がファイルに触れる。同じAIなのに、置き場所が違うだけで、手数がまるで変わりました。

でも、速くなった本当の理由は、手数ではありませんでした

最初は「貼る手間が減ったから速い」と思っていました。でも、いちばん効いたのは別のところでした。わたしは、伝言役としてかなり質が悪かったのです。

自分ではわからないエラーを全文そのまま渡す。それっぽい行だけ要約して貼ってしまう。それでは大事な情報を落とします。GASエディターも全文コピペでなければ貼る場所をときどき間違えます。どのバージョンのコードを今いじっているのか、自分で見失います。間にわたしが立つたびに、情報が少しずつ欠けたり、ずれたりしていました。

clasp にしてからは、AIが実物——実際のファイルと、実際のエラーログ——を直接見て直すようになりました。わたしが要約もしないし、貼り間違えもしない。運ぶ工程がないからです。だから往復の回数そのものが減りました。速くなったのは結果で、原因は「伝える中身が欠けなくなったこと」でした。

学んだこと

チャットとClaude Codeの差は、道具の優劣ではありませんでした。AIが実物を自分で見て触れるか、それとも人が持って往復するかの差でした。

人が伝言役をしているかぎり、AIがどれだけ速くても、上限はその人が運ぶ速さと正確さで決まります。わたしが遅くて不正確なら、AIも遅くて不正確に見える。ボトルネックは、ずっとAIではなく、間に立っていたわたしでした。

前に「いいプロンプトは、人に伝わる説明だった」と書きました。今回はその続きで、説明を“どこで”渡すかの話です。良い説明を、実物のそばで渡せると、そもそも往復が要らなくなる。プロンプトを磨くのと同じくらい、AIを実物のとなりに置くことが効きました。

他社さんの業務を自動化するときも、最初に探すのはこれです。どこで人が「伝言役」になって往復しているか。コピーして、貼って、結果をまた別の画面に戻している——その往復を一つ外すだけで、たいてい一番よく効きます。速い・遅いの前に、まず人が運んでいる場所を見つける。だいたい、そこに理由があります。

この話の続きは、サイトの中にあります

AIXの考え方を見る

佐久間

コードは書かず、AIに「こう作りたい」を伝えてプロダクトをつくる、いわゆるバイブコーディングで開発しています。だから毎日いちばん書いているのは、コードではなくAIへの説明(プロンプト)です。この記事は、その説明を“どこで”渡すかで、返ってくるものが変わった話です。

この人が書いた記事 →

前後の記事

ほかの記事

こういう直し方を、お手伝いしています。

相談してみる →
← ブログ一覧へ戻る