読むのはAIでいい。書くのは、まだ人だけにしました
お問い合わせフォームに、ロボットでないことの確認を付けた話です。
CTO/COO 熊谷大樹が書きました
2026-10-26 / 仕事
今月は、人の代わりにサイトを操作するAIが、普通の製品になった月でした。9月末のOpenAIのDevDayで、24時間動き続けるエージェント「Dots」が出ました。10月23日には、Metaの「Muse」が日本で始まりました。メールを送る、予約する、買い物をする。メルカリやマネーフォワードとつながる予定だそうです。
同じ月に、うちは自社サイトのお問い合わせフォームに、「ロボットでないこと」の確認を付けました。逆向きに見えるので、線をどこに引いたかを書いておきます。
読む扉は、全開です
このサイトの robots.txt は、全部許可です。止めているのは /api/ の下だけ。8月には llms.txt も置きました。AIに読まれる前提で、サイトの案内文を1枚足した、という話を書いています。
読むぶんには、人でもAIでも構いません。読んで困ることが、ひとつもないからです。
書く扉は、1本です
外からこのサイトに書き込める場所は、お問い合わせフォームだけです。フォームは3つのページにありますが、送り先は同じ1本の受け口(/api/contact)です。送ると、こちらにメールが届き、相手にも自動返信が飛びます。
ここに、Cloudflareの Turnstile を付けました。仕組みはこうです。
1. ブラウザで確認が走り、通ると1回きりのトークンが出る 2. フォームの送信に、そのトークンを添える 3. サーバーが Cloudflare にトークンを照会する 4. 通らなければ、メールを送る前に止める(400)
確認の中身——何を見て人だと判断しているか——は、うちは知りません。Cloudflareに任せています。自分で作れないものを借りたので、そこは正直に書いておきます。
決めたことが、2つあります
ひとつ。鍵が設定されていなければ、確認なしで通します。設定し忘れでフォームが黙って止まるより、迷惑な送信が何通か届くほうがましだからです。そのかわり、通したときはサーバーの記録に警告を残します。
ふたつ。トークンは1回きりです。送信が成功しても失敗しても、取り直します。失敗したときに古いトークンが残っていると、2回目の送信が通らない理由が、送った人には分かりません。
「読む道具は渡す。消す道具は渡さない」の、外向きの版
前に、自分たちのAIに渡す権限について書きました。読む道具は渡す、消す道具は渡さない。今回は、その外向きの版です。読むのは誰でも。書くのは人。
ただ、これは今の線です。Museのようなエージェントが、人に頼まれてうちに問い合わせを送ってきたら、この確認で止まります。人が頼んだ問い合わせなのに、です。
そのときにやるべきなのは、フォームの確認をゆるめることではないと思っています。エージェント用の扉を、別に作ることです。人用の扉と、エージェント用の扉。扉が違えば、確認の仕方も、受けたあとの扱いも変えられます。まだ作っていないので、「まだ人だけ」と書きました。
学んだこと
24時間動くエージェントの月に、人しか通れない扉を1つ作りました。矛盾ではなく、扉を分ける話でした。
読む扉は全開。書く扉は人用。エージェント用の扉は、まだ無い。無いものを「まだ無い」と書いておくのが、いまできる精一杯です。
この話の続きは、サイトの中にあります
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