AIにも、マニュアルと道具を渡すことにしました
新しく入った人への仕事の渡し方と、同じでした。
CTO/COO 熊谷大樹が書きました
2026-08-17 / 仕事
AIに仕事を頼みはじめたころ、毎回チャットで全部説明していました。手順、注意点、触ってはいけない場所。頼むたびに、同じ説明をゼロから。
あるとき気づきました。これは、新しく入った人への仕事の渡し方として、いちばん下手なやり方です。人が相手なら、こうするはずです。マニュアルを渡す。道具を貸す。
マニュアルを渡す(Skill)
いまは、繰り返す仕事の手順を1枚のテキストに書いています。AIの世界ではSkillと呼ばれていますが、中身はただのマニュアルです。
・この作業は、こう進める ・ここは触らない ・迷ったら、こう確かめる
たとえば毎週あるExcelの加工作業。以前は頼むたびに、長い説明を書いていました。手順をマニュアルにしてからは、頼む言葉はほぼ1行です。「先週と同じやつをお願いします」で通じます。
ただし、マニュアルは古くなります。そしてAIはマニュアルを疑いません。書いてあるとおりに、まちがえます。だから、直すのは人の仕事として残ります。
道具を渡す(Tool)
マニュアルだけでは足りません。人でも、手順書が読めても道具がなければ働けない。AIも同じで、業務システムの画面を人がスクリーンショットに撮って「ここを見て」と貼るのは、道具を貸さずに、伝聞で働かせている状態です。
いまは、業務システムやデータのほうに、AIが自分で読みに行ける道具(Tool。MCPと呼ばれる仕組みなど)をつないでいます。自分で見て、自分で数えて、結果だけ持ってくる。人が間で運ぶ回数が減るほど、写し間違いも減ります。
ただし、権限は絞ります。読む道具は渡す。消す道具は渡さない。新しく入った人に、初日から全部の鍵を渡さないのと同じです。
学んだこと
AI活用というと、新しい技術の話に聞こえます。でも、やってみて残ったのは古い話でした。仕事を渡すには、マニュアルと道具がいる。毎回口頭で説明する渡し方は、相手が人でもうまく回っていなかったはずです。
チャットに書いた説明は、流れて消えます。マニュアルに書いた説明は、残って次も働きます。AIに仕事を渡す準備をしていたつもりが、そのまま人に仕事を渡す準備にもなっていました。
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